アリスタルコス(月のクレーター)とは何か?【宇宙用語をわかりやすく簡単に】
アリスタルコスとは何か知っていますか?
月のクレーターのことといっても
ピンと来ない方が多いかもしれません。
そこで
アリスタルコス(月のクレーター)とは何か?
わかりやすく簡単に宇宙用語を解説していきます。
アリスタルコス(月のクレーター)とは何か?
月の表面はいくつかの
「クレーター」と呼ばれる窪みがあり、
そのほとんどは何らかの衝突によって形成されたものだと言われています。
アリスタルコス(Aristarchus)は
月の北西部に横たわる有名なクレーターです。
嵐の大洋の中心にある
アリスタルコス台地の上に位置しています。
この台地は200 kmにわたる台地で、
アリスタルコス自体の大きさは直径40キロになります。
肉眼で確認することもできますが、
大きな望遠鏡であれば明るさまで眩いほどに感じられるでしょう。
アリスタルコスは
およそ4億5000万年前にできたとされ、
月の表面のなかでは最も明るいとされています。
明るく輝く理由としては
形成されてからまだ若く、
宇宙風化による暗化が十分に起こっていないためだと考えられています。
アリスタルコス(月のクレーター)の歴史
「アリスタルコス」は
イタリアの地図制作者
ジョヴァンニ・バッティスタ・リッチョーリ
によって、
ギリシャの天文学者である
アリスタルコスから命名したものとされています。
彼は月のクレーターに
科学者の名をつける命名法を始め、
1651年にAlmagestum novum (新アルマゲスト)を出版しました。
その後、
「アリスタルコス」の名は
1935年の国際天文学連合の投票で公式に認められました。
アリスタルコス(月のクレーター)の不思議
アリスタルコスは
謎の多い月面クレーターとして長きに渡り注目されています。
1963年にはアメリカの
J・グリーンエーカー氏とJ・バー氏が
アリスタルコスとその周辺で
ルビー色に光る火山現象が
30分ほど続いて消えたのを観測したと伝えられています。
月面上ではこのような自然現象 を
TLP (Transient Lunar Phenomena) といい、
これまでに度々観測されていました。
アリスタルコスは
火山現象(赤く光る)の他にも
発光現象 (白く光る) や
霞み・もや(ガスの噴出?)など
一時的に起こる自然現象が時々認められています。
そのTLP件数は今までで220件を超えるほどです。
しかし、
どのような時にこのような現象が起こるのか
まだまだ不明な点が多く、
これから先も注目を浴び続ける月のクレーターとなるでしょう。