くじら座τ(タウ)星について

くじら座τ(タウ)星ってどんな星座なの??


くじら座τ(タウ)星は
地球から近い恒星の一つで、
約12光年離れています。

太陽に似た黄色で
単独星のG型主系列星では、
地球に最も近い恒星です。

見かけの明るさの変動がほとんどなく、
安定していますが
太陽に比べると金属量が乏しいです。

くじら座τ(タウ)星は3.5等級のため、
肉眼でも観測ができます。

くじら座τ(タウ)星から見ると、
太陽はうしかい座の方向にある
3等星として見えるでしょう。

くじら座τ(タウ)星の位置

くじら座は
全天で4番目
日本から見る
の星座の中では
最も大きな星座です。

くじら座τ(タウ)星は
くじらの下半身を作る
四つの星のうちの
南東の角を作っており

くじらの腹の部分

に位置します。

くじら座τ(タウ)星の位置詳細

  • 【赤経】
    01h 44m 04.08338s
  • 【赤緯】
    -15° 56′ 14.9262″
  • 【赤方偏移】
    -0.000056
  • 【視線速度(Rv)】
    -16.68 km/s
  • 【固有運動(μ)赤経】
    -1,721.05 ミリ秒/年
  • 【固有運動(μ)赤緯】
    854.16 ミリ秒/年
  • 【年周視差(π)】
    273.96 ± 0.17 ミリ秒
  • 【視等級】
    3.50
  • 【距離】
    11.91 ± 0.01 光年
    (3.65 ± 0パーセク)
  • 【絶対等級(MV)】
    5.688

 

くじら座τ(タウ)星の運動について

恒星の固有運動は、
天球上で
ほとんど動いていないように見えますが
遠方の天体を基準にして測定します。

くじら座τ(タウ)星は
年にわずか2秒未満動くだけで、
1秒動くのに約2,000年を要しますが、

大きな固有運動を持つ星
(high-proper-motion star)
であるとされています。

大きな固有運動は、
地球からの距離が近いこと
を示しています。

近距離にある恒星は、
遠方にある恒星よりも
大きく動いているように見え、
また年周視差の研究対象
として適しています。

くじら座τ(タウ)星の場合、
年周視差は273.96ミリ秒で、
地球からの距離は11.9光年となります。

G型主系列星の中では、
くじら座τ(タウ)星は、
ケンタウルス座α星Aに次いで
地球に近い恒星です。

視線速度は、
見かけ上ではなく、
実際に恒星が移動している速度
を表します。

固有運動とは違い、
速度を直接測定することはできませんが
スペクトルで発生する
赤方偏移、青方偏移
で判断できます。

波長が赤くなる赤方偏移では、
恒星が地球から
遠ざかっていることを示しています。
逆に
波長が青くなる青方偏移では、
恒星が地球に近づいていることを示します。

 

くじら座τ(タウ)星の視線速度は
約-17km/sで、
負の値は
くじら座τ(タウ)星が
地球に近づいていること
を表しています。

くじら座τ(タウ)星の名前について

くじら座τ(タウ)星は
略称: τ Cet
英語: Tau Ceti
くじら座52番星
とも言われます。

「くじら座τ(タウ)星」
という名称は
1603年に
ヨハン・バイエルが作成した
星表である
ウラノメトリアで確立された
バイエル符号によるもので、
くじら座の恒星の中で
τ(タウ)という番号が
付されていることを示しています。

1650年頃に
エジプトのカイロで解読された
Al Achsasi al Mouakket(英語版)内にある
Calendariumと呼ばれる星表で、

くじら座τ(タウ)星は、
Thālith al Naʽāmāt(تالت ألنعامة)

と表記されており、

これはラテン語で
「3つ目のダチョウ」を意味する
Tertia Struthionum

と翻訳されました。

τ(タウ)星は、
η星、θ星、ζ星、υ星と共に
Al Naʽāmāt(ألنعامة)と呼ばれる
ダチョウを表した
星群を構成しました。

また中国では、
τ(タウ)星は
上記のυ星を除く3つの恒星と
ι星、57番星を組み合わせた
天倉という星群を構成しています。

τ(タウ)星は
この5番目の恒星とされており、
「天倉五」と表記されています。

最後に

この記事を通して
くじら座τ(タウ)星について
少しでもイメージが膨らみ
星を眺めてみたいな♪
と思ってもらえたら幸いです。

τ(タウ)星は肉眼でも観測できますので
秋頃に是非探してみてくださいね!

 

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