明けの明星とは何か?【宇宙用語をわかりやすく簡単に】
「明けの明星」とは何かをご存知でしょうか?
「明星」と書いて
「めいせい」ではなく「みょうじょう」と読みます。
星に関連することだと字から推測できますが、
どんな星のことを指すのでしょうか?
この記事では宇宙用語である
明けの明星について
わかりやすく簡単に解説していきます。
明けの明星とは?
「明けの明星」とは
明け方に輝いて見える金星のことを指します。
地球から見える金星は
いつでも観測できるわけではなく、
明け方と夕方にしか見ることができません。
そこで明け方に見える金星が
「明けの明星」と呼ばれるのに対し、
夕方に見える金星のことを「宵の明星」といいます。
ちなみに、
天文学辞典によりますと次のように記されています。
明けの明星とは
夜明け前から薄明にかけて、
東の空に明るく輝いて見える金星の俗称。西方最大離角近くの位置にあるときに
明けの明星となる。
日本での「明けの明星」の別名
明けの明星には
各地方によって他の呼び名が多数存在します。
- 夜明けの明星
- あかぼし(明星)
- 明の明神
- とびあがりぼし
- かけあがりぼし
- めしたきぼし
- かしきなかせ(炊夫泣かせ)
また、
アイヌの方では
「ニサッチャオッカムイ」といい、
朝の口にいる神という意味を持つ名前で呼ばれていたそうです。
他国での「明けの明星」の別名
金星は他の国でも古くから観測されており、
日本と同じように
「明けの明星」と「宵の明星」それぞれに名称が付けられていました。
古代ギリシアでは
明けの明星を
「ヘオスフォロス(Heōsphoros)」と呼び、
宵の明星を
「ヘスペロスHesperos」と呼んでいました。
また、
中国では
明けの明星を「ケイメイ(啓明)」、
宵の明星を「チョウコウ(長庚)」と名付けました。
英語での表記は
「モーニングスター(morning star)」とされています。
金星はどんな星?
金星(ビーナスVenus)は太陽系の中で
太陽に近い方から2番目にある惑星です。
地球型惑星ともいわれ、
太陽系内での大きさと平均密度が
最も地球に似ており、
真円に近い公転軌道を持ちます。
そのため、
「地球の姉妹惑星」と表現されることもあります。
地球から見る金星は
太陽、月についで明るく見える惑星です。
しかし、
一日中観測できるわけではなく、
日の出前と日没後の数時間のだけ
一際明るく輝く姿を見ることができます。
その理由には、
日中は太陽の光が
明るすぎるため見ることができず、
夜の場合は
地球より内側の軌道を回っているため
金星が昇ることはなく観測することができません。