土星の衛星「タイタン」とは?【簡単にわかりやすく解説】
土星の衛星「タイタン」とは、どんな衛星なのか?
土星の衛星「タイタン」について
なるべくわかりやすく解説していきます。
土星の衛星「タイタン」とは?【タイタンの概要】
土星の衛星は現段階で64個が確認されており、
そのうちの53個は命名されています。
「タイタン」はそのうちの1つで土星の第6衛星です。
土星最大の衛星であり、
その直径はおよそ5,150㎞あります。
太陽系に存在する衛星を含めても2番目に大きいです。
地球以外の天体で
初めて安定した液体の存在が確認されており、
また、
太陽系の衛星の中では唯一濃い大気を持ちます。
地球の大気成分の78%が窒素なのに対し、
タイタンの大気成分は97%が窒素で
他がチタンや二酸化炭素で構成されています。
地球と似たような大気を持ち、
その表面気圧は地球のおよそ1.5倍あります。
しかし、
タイタンは
地球の半分以下の大きさしかないため
地表の大気は密度が濃く、
全体的に澱んで湿った大気に覆われていると推測されます。
- 名称:タイタン (Titan)
- 別名: Saturn VI
- 分類:土星の衛星
- 平均直径:5,149.46km
土星の衛星「タイタン」は、いつ、誰が発見した?
タイタンは1655年3月25日、
オランダの天文学者である
クリスティアーン・ホイヘンスによって発見されました。
1650年代に
兄のコンスタンティン・ホイヘンスと
望遠鏡を建設し始め、
完成したその望遠鏡を使って
土星を公転している衛星を初めて観測しました。
土星の衛星「タイタン」の名前の由来
タイタンの発見者であるホイヘンスは
1655年に「De Saturni Luna Observatio Nova(土星の衛星の初観測)」を出版しました。
その著書によると
彼が発見した衛星には
「Saturni Luna(Luna Saturni)」と命名し、
それはラテン語で「土星の衛星」を意味しています。
その後、
ジョヴァンニ・カッシーニが
発見した4つの衛星とタイタンに
Saturn IからVまでの番号を付与し、
タイタンは「Saturn VI」と呼ばれるようになりました。
「Saturn’s ordinary satellite」
という別名もありましたが、
ジョン・ハーシェルが
ギリシャ神話に登場する神
「ティーターン」の名をこの衛星の名に提案したことで定着していきました。
※日本では英語による発音に基づいてタイタンと表記されています。
土星の衛星「タイタン」に宇宙人がいる可能性あり?
土星の衛星タイタンは
私たち地球人にとって最もふさわしい移住先として注目されている衛星です。
海や山があり、雨が降り、風が吹き、
地球と似た性質を持っています。
しかし、
太陽からは14億km以上も離れているため
気温は非常に低いとされ、
氷は石のように硬い状態です。
地表にはエタンやメタンのような
炭化水素の海があり、
地下にも液体の水の海があります。
タイタンにはこのような
二重の海がある世界を持ち、
私たちが知る生命のタイプと、
未知なる生命のタイプが存在している可能性があります。
地球外生命を探すのに最適な場所としてや、
遠い未来の人類の移住先として、
今後もタイタンの探査が進められていくことでしょう。