土星の衛星「フェーベ」とは?【簡単にわかりやすく解説】
土星の衛星「フェーベ」とは、どんな衛星なのか?
土星の衛星「フェーベ」について
なるべくわかりやすく解説していきます。
土星の衛星「フェーベ」とは?【フェーベの概要】
土星は少なくとも62個の衛星を持ち、
そのうち53個には正式な名称がつけられています。
「フェーベ」はそのうちのひとつで土星の第9衛星です。
土星の衛星は複数ありますが
その中でもフェーベは際立って大きなサイズになります。
そしてフェーベは
土星の衛星の中で、土星から最も離れた(外側にある)衛星です。
フェーベの隣(内側)にある
土星の第8衛星「イアペトゥス」とフェーベは
なんと約4倍の距離が離れています。
「フェーベ」の最も特徴的な性質といえば、
土星の自転の向きと逆向きに公転している「逆行軌道」です。
また、土星の衛星のほとんどは
土星の赤道面と同じ平面に軌道がありますが、
フェーベの軌道は175度も傾いている点も特徴的です。
- 名称:フェーベ(Phoebe)
- 別名: Saturn IX
- 分類:土星の衛星 (北欧群)
- 平均直径:12,947,918 km
土星の衛星「フェーベ」は、いつ、誰が発見した?
土星の衛星「フェーベ」は
1898年8月16日にペルーのボイデン天文台で
デリール・スチュワートが撮影したのが最初とされています。
しかし実際は
1899年3月17日の写真分析によって
初めてフェーベは確認されたそうです。
フェーベの発見者はアメリカの天文学者である
ウィリアム・ヘンリー・ピッカリングです。
土星の衛星「フェーベ」の名前の由来
「フェーベ」という名前の由来は
ギリシア神話の登場人物です。
ギリシア神話におけるティーターンの1人
ポイベーにちなんで名付けられたとされています。
フェーベは別名で
「Saturn IX」 と呼ばれることもあります。
※Saturn(サターン)とは英語で土星を意味します。
発見者であるピッカリングが
フェーベの発見を報告する論文の中で
それまでに発見されていた
土星の衛星の名の慣習に従って
「フェーベ」という名前を提案しました。
土星の衛星「フェーベ」の豆知識
フェーベにあるクレーターには
ギリシア神話に登場するアルゴー船の
乗組員にちなんだ名前が24個つけられています。
その中で特に有名なのがイアソン(Jason)です。
イアソン(Jason)は
フェーベのクレーターの中で
最も大きなクレーターです。
その他には
エルギヌス (Erginus)も有名です。
エルギヌス (Erginus)は
内壁に白い筋状模様が入っているため
他のクレーターに比べると特徴的です。
これも豆知識ですが
フェーベにある平地は
ギリシャ神話に登場する「レートー」にちなんで
レト地域(Leto Regio) と命名されています。
※レートーとは、フェーベの名前の由来となったギリシャ神話の登場人物「ポイベー」の娘です。