木星の衛星「イオ」とは?【簡単にわかりやすく解説】
木星の衛星「イオ」とは、どんな衛星なのか?
木星の衛星「イオ」について
なるべくわかりやすく解説していきます。
木星の衛星「イオ」とは?【イオの概要】
木星の衛星は現時点で79個の衛星が発見され、
そのうちの51個が命名されています。
太陽系の惑星の中では最も多い衛星の数です。
「イオ」はそのうちの1つで木星の第1衛星です。
2007年までに発見された衛星の中では
内側から5番目の軌道を回っており、
その距離は約42万kmあります。
公転周期は1.76 日です。
衛星のなかで比較的明るく、
5.0等級のため双眼鏡でも観察することができます。
- 名称:イオ (Jupiter I Io)
- 別名: Jupiter I/J 1
- 分類:木星の衛星
- 平均直径:3,643km
木星の衛星「イオ」は、いつ、誰が発見した?
木星の衛星「イオ」は
イタリアの天文学者
ガリレオ・ガリレイによって発見されました。
ガリレオは「イオ」の他にも
- エウロパ
- ガニメデ
- カリスト
と他の木星の衛星も発見しており、
これら4つの衛星を合わせて「ガリレオ衛星」と呼びます。
ガリレオが初めて観測を行ったのは1610年1月7日です。
天体の動きを数日間観測し、
木星の周りを回っていることを確認しました。
このとき、
ガリレオ手製の低倍率の望遠鏡でも見ることができたとされています。
木星の衛星「イオ」の名前の由来
木星の衛星は
ギリシア神話の登場人物から名付けられています。
「イオ」も同じで、
ゼウスの愛人となり
妻のへーラーに牝牛に姿を変えられてしまった
イーナコスの娘「イーオー」にちなんで命名されました。
木星の衛星「イオ」の豆知識
イオは、
地球以外で初めて活火山が発見された衛星です。
惑星探査機「ボイジャー1号」が撮影した
写真を解析していた際、
偶然、科学者のリンダ・モラビトが発見しました。
現在でも火山活動をしているとされ、
その表面は溶岩で覆われてており、
クレーターはほとんど見られません。
地球の溶岩とは異なり、
イオの溶岩の主成分は硫黄とされています。
火山活動は
木星から非常に近いところを回っているため、
木星の潮汐力(重力)を受けて
星の内部が伸縮して熱せられることによって
火山活動が起きていると考えられています。
イオの火山から噴き出る
硫黄やナトリウムなどを含む火山ガスは
高さ数百kmにまで噴き上げられ、
宇宙空間に放出されています。
この火山ガス起源が
イオの公転軌道上に沿って
プラズマ化した環としてドーナツ状に分布し
木星オーロラの発生要因の1つとなっています。
このオーロラの色は
木星の大気の水素に反映しピンク色になるそうです。