天王星の衛星「ミランダ」とは?【簡単にわかりやすく解説】
天王星の衛星「ミランダ」とは、どんな衛星なのか?
天王星の衛星「ミランダ」について
なるべくわかりやすく解説していきます。
天王星の衛星「ミランダ」とは?【ミランダの概要】
天王星には27個の衛星が存在し、
その全てに名前が付けられています。
ミランダは天王星の第5衛星で、
天王星の5大衛星と呼ばれる中の1つでもあります。
天王星の5大衛星は以下の通りです。
- ミランダ
- アリエル
- ウンブリエル
- タイタニア
- オベロン
ミランダの直径はおよそ470㎞で
5大衛星の中では一番小さく、
最も天王星に近い12万9900kmの距離で公転しています。
(これは天王星の環の外縁にあたる距離です。)
公転周期は34時間で、
潮汐力(重力)によって
自転周期は公転周期と同期しているため、
天王星に対して常に同じ面を向けて動き続けています。
そのミランダの軌道傾斜角は
4.34°と非常に大きく、
他の天王星のと比較すると10倍以上も傾いています。
これほど軌道が傾いている原因は分かっていません。
- 名称:ミランダ (Uranus V Miranda)
- 別名:Uranus V
- 分類:天王星の衛星
- 平均直径:471.6 ± 1.4(㎞)
天王星の衛星「ミランダ」は、いつ、誰が発見した?
天王星の衛星「ミランダ」は
1948年2月16日に
オランダ及びアメリカ合衆国の天文学者である
ジェラルド・カイパーによって発見されました。
アメリカテキサス州の
マクドナルド天文台にある
口径82インチ(2080ミリメートル)の
オットー・シュトルーベ望遠鏡での観測を行った際に確認されています。
同年3月1日には
天王星の周りを公転している様子も観測されました。
天王星の衛星「ミランダ」の名前の由来
基本的に天王星の衛星の名前は
イギリスの劇作家
「ウィリアム・シェークスピア」か、
イギリスの詩人
「アレキサンダー・ポープ」の作品に登場する人物の名から命名されています。
発見者のジェラルド・カイパーは
ウィリアム・シェイクスピアの戯曲
「テンペスト」に登場する娘の名にちなんで「 Miranda(ミランダ)」 と名付けました。
天王星の5大衛星の他4つは
全て作品に登場する
精霊の名前が由来になっていますが、
ミランダだけは人間の名前から由来されています。
天王星の衛星「ミランダ」の組成
天王星の衛星「ミランダ」の組成は
60% 以上は氷であるとされています。
しかし、氷は表面の部分であり、
内部はメチル基を含む有機化合物や
珪酸塩岩によって構成されていると考えられています。
ミランダの表面で検出されている物質は
今のところ水のみです。
しかし、メタンやアンモニア、一酸化炭素、
窒素が約3%の濃度で存在すると予想されており、
この組成は土星の衛星に近いものとされています。
このミランダの詳細な性質は、
1986年1月25日に天王星に接近した
ボイジャー2号の探査によって得られたものです。
このときミランダの地形は
ミランダ自身が一度破壊されて粉々になったあと、
再び凝集して再形成された可能性があることがわかりました。
また、探査機によって
新たな発見がされることが期待されています。