エリダヌス座ってどんな星座?【神話も紹介】
エリダヌス座ってどんな星座?
この記事では
エリダヌス座がどういう星なのか、
また神話についても
詳しく紹介していきます。
エリダヌス座ってどんな星座?【エリダヌス座の概要】
エリダヌス座は紀元前300年頃には
すでに誕生していた古い星座で、
プトレマイオスの48星座のひとつにも挙げられています。
全天88ある星座のなかでは6番目に大きい星座です。
昔は現在のろ座も
エリダヌス座の一部として構成されていたので
さらに大きく形作られていました。
- 名称:エリダヌス
- 学名:Eridanus
- 略 符: Eri
- 概略位置 :赤経・ 3h50m / 赤緯・-30°
- 概略面積 :1138平方度
- 20時南中:1月14日
- 南中高度:約25°
- 主な季節:冬
- 肉眼星数:約190個
- 設定者:プトレマイオス
エリダヌス座を構成する星について
エリダヌス座を構成する星は
エリダヌスα(アルファ)星の1等星が存在し、
他は3等星以下の星で描かれているため
全体的には暗い星座です。
エリダヌス座は
南の空の低いところに見えるので、
日本の多くの地域では
星座の一部が地平線に隠れてしまい
全体の姿をなかなか見ることができません。
鹿児島県より南や沖縄地方などからであれば
エリダヌス座の全貌を見ることができ、
「己」の字のように淡い星が並んでいます。
エリダヌス座α(アルファ)星
エリダヌス座α(アルファ)星は
エリダヌス座で最も明るい恒星です。
2つの恒星から成る連星で、
主星はエリダヌス座α星Aと
伴星はエリダヌス座α星Bから構成されています。
エリダヌス座α(アルファ)星の固有名は
アケルナル(Achernar)で
アラビア語で「河の果て」という意味である
「آخر النهر ākhir an-nahr(アーヒル・アン=ナハル)」に由来します。
これはエリダヌス座の南端にあり、
オリオン座の西から始まるエリダヌス川が
蛇行しながら南へ流れ、
アケルナルで終わるように見立てられたことからきています。
アケルナル(Achernar)は
エリダヌス座α(アルファ)星の固有名として
正式に承認された日は2016年6月30日です。
エリダヌス座の神話について
エリダヌス座は古い星座なため、
ギリシア神話にもその物語が伝えられており、
パエトン(フェアトン)の物語に基づいています。
パエトンは太陽の神アポロンの息子で、
父が毎日駆る日輪の馬車をいつも憧れて眺めていました。
その姿にとうとう我慢できなくなり、
パエトンは父アポロンに馬車を駆らせてほしいと頼みました。
この願いを聞いたアポロンは
息子の願いを叶えてやりたいと思いますが、
パエトンの力では到底四頭の馬を御することなどできません。
どうにか宥めるアポロンですが、
パエトンは何度も何度も懇願します。
そこで仕方なく、
アポロンは一度だけ手綱を持たせてあげることにしました。
ただし、
絶対に手綱を放さないこと。
そして、
絶対に日輪の道を踏み外さないこと。
この2つを条件に、
アポロンは馬車に乗ることを許します。
こうして大喜びのパエトンは
さっそく馬車に乗って手綱を持ちます。
そして、
四頭の馬にパシッと鞭をひと打ちすると
馬車はいきなり飛び出してすごい速さで駆けていきます。
驚いたパエトンは手綱を必死で引きますが、
アポロンとは違って馬たちは言うことを聞きません。
馬たちが首を振ると、
手綱はパエトンの手を離れ飛んでいってしました。
もうどうすることもできず、
馬たちは好きなところへ駆けていき
馬車は天のあちこちへと勝手に走り回ります。
そのせいで馬車が走っていくところ
あちこちに火がついて、
地上でも天上の神々でも大騒ぎです。
この騒ぎを見ていたゼウスは、
パエトンの乗る馬車に向かって一光の稲妻を放ちます。
そして見事に稲妻は馬車に当たり、
まっ逆さまに北イタリアのエリダヌス川に落ちていきました。
こうして天の騒ぎは治まりましたが、
馬車と一緒に落ちていったパエトンは
エリダヌス川と一緒に天に昇っていったと伝えられています。