こと座ってどんな星座？【神話も紹介】

こと座ってどんな星座？

 

この記事では
こと座がどういう星なのか、
また神話についても
詳しく紹介していきます。

こと座ってどんな星座？【こと座の概要】

こと座は夏の夜空に輝く北天の星座です。

比較的小さい星座ではありますが
北の空に位置しているので、
時間を問わなければ一年を通して見ることができます。

 

紀元前1200年頃には既に知られており、
古代ギリシアの竪琴の姿が描かれ
トレミーの48星座のひとつになっています。

 

 

こと座を構成する星について

こと座には全天21ある1等星のなかでも
5番目に明るい輝きを放つこと座α(アルファ)星があります。

こと座α(アルファ)星は
はくちょう座α(アルファ)星デネブ、
わし座のα(アルファ)星アルタイル、
この3つで「夏の大三角形」を形作る星のひとつです。

 

日本では七夕の「織姫星」としてよく知られ、
天の川から少し離れた西側に位置しています。

 

こと座α(アルファ)星

こと座α(アルファ)星は
こと座の中でもっとも明るい恒星です。

固有名をベガ (Vega)といい、
アラビア語で「急降下するワシ(ハゲワシ)」を意味する
النسر الواقع(al-nasr al-wāqiʿ; アン＝ナスル・アル＝ワーキ)に由来します。

 

ベガ (Vega)が
こと座α(アルファ)星の固有名として
正式に承認された日は2016年6月30日です。

 

こと座の神話について

こと座は古くから知られる星座なため、
ギリシア神話などの物語に登場してきます。

 

こと座のモデルとなっているのは
オルフェウスが弾いていた竪琴だとされています。

オルフェウスは
トラキア王オイアゲロスと女神カリオペとの間に生まれ
琴の名手として知られていました。

 

彼には美しい妻エウリディケがいましたが、
ある日毒蛇に噛まれて死んでしまいます。

 

オルフェウスは悲しみ嘆き、
どうしてもエウリディケのことを諦めることができません。

どうにかして生き返らすことはできないかと
死者の国、冥界へとさまよっていきます。

 

しかし冥界にはカロンという番人と、
ケルベロスという番犬が立ち入るものを見張っています。

ケルベロスは3つのへびの首をもつ怪物で、
到底敵う相手ではありません。

 

そこでオルフェウスは琴を取り出し、
美しい音楽を奏でて
カロンとケルベロスを魅了させているうちに
冥界へと入っていくことができました。

 

やがて冥界の王プルトーンの元へたどり着き、
エウリディケを地上に戻してほしいと懇願します。

もちろん、
プルトーンはこの願いを聞き入れるわけにはいきません。

 

そこでオルフェウスは再び琴を取り出し、
願いを込めて演奏します。

その見事な音色は冥界の全てに響き渡り、
全てのものが感動に包まれていました。

 

王妃ペルセフォネはオルフェウスの思いを汲み、
プルトーンにエウリディケを地上に戻してやるよう説得します。

そして、
プルトーンはようやく願いを聞き入れ、
エウリディケを地上へ戻してあげることにしました。

ただし条件として、
地上に戻るまでは決してエウリディケの顔を見ないこと
とオルフェウスに約束させます。

 

2人は地上へと向かい
もう少しで地上に着くというところで
喜びのあまり思わずエウリディケの方へ振り返ってしまいました。

 

すると、
たちまちエウリディケの姿は消えてしまい、
再び冥界へと連れ戻されてしまいます。

 

オルフェウスは再びプルトーンに懇願しますが
プルトーンは願いに応じてくません。
オルフェウスがいくらいい演奏をしても
プルトーンは黙っているだけです。

 

オルフェウスは諦めて地上へと戻っていきますが、
二度と琴を奏でることもなくたださ迷い歩くだけでした。

 

そのように過ごしていたある日、
オルフェウスはトラキアの女性たちの祝宴で
琴を奏でることを依頼されます。

しかし、
オルフェウスは首を横に振るだけで
何度頼まれても琴を弾くことはありませんでした。

 

これに怒った女性たちは、
オルフェウスに石を投げて打ち殺し、
琴と一緒に川に捨てました。

 

大神ゼウスはこれを哀れみ、
彼の持っていた竪琴を星座にして
天に昇らせたのがこと座だと伝えられています。