たて座ってどんな星座?【神話も紹介】
たて座ってどんな星座?
この記事では
たて座がどういう星なのか、
また神話についても
詳しく紹介していきます。
たて座ってどんな星座?【たて座の概要】
たて座は夏から初秋にかけてが見頃の星座です。
夏の夜、
南の空にかかる天の川の中に位置しており、
星座の中にはたくさんの微恒星が輝いて
天の川がより明るく見えるところがあります。
それらが小さな雲のように見えることから
「スモールスタークラウド」とも呼ばれ、
双眼鏡や小型の望遠鏡で眺めると
びっしりと星が集まって輝いているのを観察することができます。
ここがたて座が位置する場所で、
ヘヴェリウスによって設定された新しい星座です。
星の並びよりも
天の川がもっとも輝いている部分を
切り取ったかのような星座になります。
たて座自体には
特に目立つような明るい星はないのですが、
スモールスタークラウドが楯の形に見え、
その中に十字、あるいは直線のように星が結ばれています。
- 名称:たて
- 学名:Scutum
- 略 符: Sct
- 概略位置 :赤経・ 18h35m / 赤緯・-10°
- 概略面積 :109平方度
- 20時南中:8月25日
- 南中高度: 約45°
- 主な季節:夏
- 肉眼星数:約30個
- 設定者:ヘベリウス
たて座を構成する星について
たて座 を構成する星は4等星と5等星ばかりで
さらには
天の川の中に存在しているため、
星を繋いで楯の形を捉えることは難しいかもしれません。
目印としては1等星の
わし座 α(アルファ)星のアルタイルから
南西に延びる鷲の翼の星をたどり
その先端から弓なりに連なる星の先にあるのが
たて座 β(ベータ)星になります。
そしてその真下にある
十字の中心付近となるのが
たて座α(アルファ)星です。
たて座α(アルファ)星
たて座α(アルファ)星は
たて座の中で最も明るい恒星です。
この星は橙色の巨星であり、
3.8等星になります。
たて座β(ベータ)星
たて座β(ベータ)星は
たて座のなかで二番目に明るい恒星で4.2等星です。
固有名などの別名は
特に付けられておりません。
たて座の神話について
たて座は1684年に
「ソビエスキのたて座」
( Scutum Sobiescianum)として
ヨハネス・ヘヴェリウスが設定した新しい星座です。
そのため、
ギリシア神話や伝説などは伝わっていません。
しかし、
この星座を作ったのは
17世紀にオスマン・トルコ帝国を打ち破った
ポーランド王・ソビエスキーを称えて
ヘヴェリウスが設定したもので、
実在する人物をモデルにした珍しい星座になります。
ソビエスキーの勝利は単なる勝利ではなく、
イスラム教徒に対する
キリスト教徒の勝利として
とても大きな意味を持っていました。
その名残として、
たて座 の星座絵には十字架が描かれています。
しかし、
今ではソビエスキーという名前は消え、
単に「たて座」と呼ばれるようになりました。